ゆめかのアトリエ

マイペースな絵描きの雑多な備忘録

春はあけぼの

『春はあけぼの。やうやう白くなりゆる、山ぎは少しあかりて、
むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。…』

清少納言がかつてこの様に書いたように、夜明け前が一際美しい時期がやってきました。そんな時期に友人が新しい歌ってみたを投稿したので、今回はより細かい感想と楽曲のお話をさせていただきます。

 

 

楽曲の紹介

紹介させていただくのは「春、あけぼの」という楽曲です。

友人のめいめいさんが投稿した歌ってみたはこちらになります。
(クリックすると視聴ができます。)
過去作品から更に表現力がパワーアップしています♪

youtu.be

 

作曲者は「mtrika」様。オリジナル楽曲はこちらです。

www.youtube.com

 

完全なる勉強不足ゆえ、この楽曲を初めて視聴させていただきました。

初見での印象は、「ここまでエモーショナルな楽曲があるとは…!」でした。

胸がきゅっと締め付けられる、しかし春風が優しく吹いてくるような感覚でしたね…

春は別れと出会いの時期と言われますが、不安でいっぱいの人たちの背中をそっと押してくれるような曲です(個人的感想です)。
作詞・作曲のセンスに脱帽です…作者様、語彙力を分けてください…。

 


私は、普段お気に入りの楽曲を何度も聴くタイプの人間です。
しかしながら、友人の歌ってみたにより新境地を切り開くことができました。

彼女はバラードが得意で、ヨルシカさんを始めとする美しさの楽曲を歌えば
右に出る者はいません(と私は勝手に思っています)。
自分には難しいニュアンスの表現もさらっとこなしていて、日々努力しているなと感じております。

「mtrika」様の楽曲を歌う時もかなり気合いが入っており、楽しみにしておりましたが想像を軽く超えてきました。

 

 

 

楽曲から想像したもの

あまりの楽曲の良さに。
歌詞付きで友人の歌ってみたとオリジナルを何度も聞かせていただきました。
ピアノの旋律の美しさはもちろん、歌詞から時間の移り変わりを花で表現しているのがおしゃれですね。不定期で文章を紡ぐクリエイターとして勉強になりました。

 

エモーショナルさを語りすぎて脱線しそうなので本題に戻ります。

私は元々イラストを描き、時々文章を書く人間です。

なので楽曲から以下の場面を想像して文章を書かせていただきました。

 

時期→明日から新生活が始まる前夜。

場面→夢の中

人物→大学生(上京したばかりの初々しい女子大学生とかいいかも)

具体的な場面(長いので下に続けます)

 

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「新生活か…めっちゃ緊張する…」

明日からの新生活が不安でたまらない少女は夢を見た。

 

気がつけば広大な大地に彼女は立っていた。地元の公園とは違い、遊具等はない。
雪が降っていて、前方は吹雪いており見えない。

「まるで私のこころを写したみたい」少女はぽつりつぶやいた。

 

急に一際強い風が吹く。

「!?」

思わず顔を背け、次に顔をあげたとき彼女は梅の木の前にいた。
1本だけでなく、並木道のように何本も梅の木が植わっている。
「…なんでこんなところに。あ、花が咲いてる」

おそるおそる梅の木に近づく少女。冬の盛りから春に移り変わる時期に咲くのを知っていたが、近くで見るのは初めてであった。

(こんなにかわいい花を咲かせるんだ)

彼女にとって新たな発見だった。

 

気がつけば暖かな光が差し込んできた。程なくして暖かな風も吹く。

「あっ…」

足元を見れば雪の大地は溶け、萌黄色の大地が徐々に見え始めた。

顔をあげれば梅の花の花弁がふわふわと舞っていた。

(これはいったい…)
夢なのは分かっている。あまりにも現実とは離れているから。
しかし、季節の移り変わりの美しさから目を離せなかった。
一際眩い灯りが彼女の視界を覆う。

「ま、まぶしい…!」
光が収まるのを待つ。おそるおそる目を開けば…

 

梅の並木が桜の並木に変わっていた。

「わぁ…!綺麗!」

ここには彼女以外誰もいない。淡い桃色の花は全て開いている。
思わず木のふもとに駆け寄る。
この時期にしか咲かない儚い花。少女が世界で一番好きな花。
たとえ夢であっても変わらず綺麗な花を咲かせてくれる。

(これからはじめましての事ばかりだろうけど。私なりに向き合ってみよう)
しばらく少女は桜並木を見つめていた。

 

目覚めればベッドの中。

上京したばかりの部屋は地元から持ってきたもの以外何もない。

(朝…新しい生活が始まるんだ)

もちろん不安は残っている。けれど、昨日の夢は不安な今日へ背中を押してくれた。

「新生活…緊張するけど頑張ってみよう」

カーテンを開けるとちょうど夜が明ける頃。
暖かく優しく朝日が差し込む様を少女はしばらく見守っていた。

 

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楽曲を聞きながら創作文を書きました。

数か月前に140字程度の文を書いた以来なので多少の粗には目をつぶっていただけたら幸いでございます。

 

完全に感想の域を出てしまって申し訳ないですね。

 

最後に

mtrika様の楽曲は「春、あけぼの」の他にも投稿していらっしゃるので
聴いていただきたいです。
私は「雲と砂時計」がお気に入りです♪

少し先になってしまうかもしれませんが、上記に記載した文章を元にイラストを
描こうと考えています。お披露目する際はお知らせしますのでお楽しみに。

 

以上、久々に長く語った結萌花でした。