ゆめかのアトリエ

マイペースな絵描きの雑多な備忘録

あんずちゃんから見たじゅん子さん

最初に。

五月雨式にあんずちゃんから見たじゅん子さんの印象を…

↑さぶあかでつぶやいたもの
このメモを元にあんずちゃんの口調と視点で語ってみます。

 

あんずちゃんから見たじゅん子さん

わたしから見たじゅん子さんの話が聞きたい…?

急にどうしたの。

いろいろ語っても大丈夫なら喋るよ?

けど、わたしは話し始めると歯止めがかからない可能性が高いから

もういいよってなったらすぐに言ってね。

 

…分かった、じゃあ喋るね。

 

わたしのじゅん子さんに対する最初の印象は、

「とても控えめな図書委員さん」だった。

クラスで誰かと話してる場面が少ないし、急に声かけられると少しあわあわして

話すのが得意じゃないタイプかなぁって見てて何となく思ってた。

あと自己紹介で読書が好きって言ってたのを覚えてたんだ。

わたしも読書好きだから。全然似合わないって言われたけど。

 

初めて喋ったのは、わたしの記憶だと教室だけど合ってる?

…合ってたか、よかった。

確かわたしが教室に忘れ物しちゃって取りに行った時だったね。

ダッシュで教室に行ったら

日直か何かで残ってたじゅん子さんがいた覚えがある。

あの時、スケッチブックを忘れちゃって。

私は絵を描くの好きだけど見せるのが苦手で。教室に置いていったら

誰かに見られるリスクが高いからあの時すごく焦ってた。

「ごめんバタバタして!忘れ物しちゃったの!」

「…そうですか」

一声かけてわたしはスケッチブックを回収した。

「うん!じゅん子さん日直お疲れ様、また明日!」

「…お疲れ様です」

こんな会話が最初だったかな。

 

そこからきちんと話したのが図書室だった。

夢中になって本を読んでたら声をかけてくれたんだっけ?

恥ずかしかったよ、ニヤニヤしながら読んでいるところを

見られてしまったから。

 

「…お疲れ様です」

「!?」

振り向いたらじゅん子さんがいた。

「あ、じゅん子さんだ!お疲れ様!どうしたの?」

「閉館時間が迫ってるので声をかけました」

「あ……」

時計を見たら閉館20分前だった。

「あはは…本に夢中になってて時間見てなかった…
ごめんね、声かけてくれてありがとう」

「いえ…ちなみに何を読んでいらしたのですか?」

「えっとね、心理学の本とか哲学の本!」

「…意外ですね」

「えぇー(´;ω;`)」

「冗談ですよ、あんずさん頭いいですものね」

「知らないものを調べるのが好きなだけだよ…?」

わたしは知らない分野を勉強するのが好きだ。

学校の勉強も探究心だけで乗り切ってきたタイプで、

何か気になるとつい本を読み漁ってしまう。

「まあそうだよね〜この前読書好きって言ったら

全然似合わないってクラスの子に言われちゃってさ…」

ついわたしは自虐的に言ってしまった。

わたしは見た目に反しインドアな趣味を持ってるらしい。

読書、絵を描く、ちょっとしたショートストーリーを書くこと。

似合わないって言われるのはちょっと複雑だけど、

インドアな趣味が多いのは理由があるんだ。

けど、今はじゅん子さんとのお話だから。

このお話はまた別のときにするね。

…いいかな?じゃあ続きに戻るよ。

 

わたしの言葉を受けて、じゅん子さんはこう言ってくれた。

「似合う似合わないはただの第三者の感覚ですから。気にしなくていいと思います」

「じゅん子さん…」

「私はあんずさんがよく図書室に来てるのを見てました。
ほぼ毎日いらしてたので余程図書室という空間と本がお好きなんだろうな…と。」

今日は大分本に夢中になってましたね、

そう言ってじゅんこさんが微笑んだ。

「あ…ありがとう」

…よく見てたんだ。恥ずかしくてひとりでこっそりと来てるつもりだったけど。

あとじゅん子さん笑うとめっちゃかわいいじゃん…

かわいいお洋服着せたい…

 

「ねえじゅん子さん」

「はい、何でしょう?」

「おすすめの本、教えてほしいな」

「私の、ですか…?」

「うん、ジャンル問わないからじゅん子さんの好きな本を読んでみたいの」

じゅん子さんの目がまんまるに見開いた。

「だめ、かな…?」

はしゃぎ過ぎたかな…思わず下を向いてしまったわたし。

「いえ、大丈夫ですよ。たくさんあるので特に好きなものを教えますね」

「やった…!ありがとう!」

じゅん子さんの表情が、心なしか明るく見えたような気がした。

 

その後、閉館までの時間でわたしはじゅん子さんの

好きな本を数多く教えてもらった。

「この本はですね…!」

そう言って語り始めるじゅん子さんは何だかわたしに似ていた。

 

好きなものに夢中になると生き生きと語るところ。

わたし以上に物事への探求心が高いところ。

わたしが気になってたくさん喋っても、全く嫌がらずに聞いてくれるところ。

 

…無愛想と言われてるらしいけど、じゅん子さん表情豊かじゃん。

もっと仲良くなりたいな。

 

好きな本の話を聞いていたら、いつの間にか閉館10分前になっていた。

「あ…すみません。私、たくさん話し過ぎましたね…」

はっと我に返り、じゅん子さんがしおしおと謝る。

…そんなことない。わたしは知らない事をたくさん知れて嬉しいし楽しかった。

だから…

「そんなことないよ!」

気づけばわたしは強めにじゅん子さんに思いをぶつけていた。

「そんなことない!わたしはいろいろなお話聞けて楽しかったし、またききたい!

じゅん子さんの好きなもの、もっと知りたい!」

心から出た言葉だった。

知らない世界を教えてくれる人、そしてなんでかは全然分からなかったけど

長く交流が続いていく人になるのではという直感が働いた。

「あんずさん…」

じゅん子さんをどうやら驚かせてしまったようだ。

「あっ…!ごめん図書室で騒いじゃって…」

やってしまった…思わず下を向いてしまうわたし。

自分の気持ちを伝えるのは苦手だ。

仮に伝えられてもストレートな言い方しかできないし、

場面と相手によってはとても傷付けてしまうケースも少なくなかった。

何やってんの、わたしのばかぁ…

 

「…ふふふ」

しょげていたわたしの耳にじゅん子さんの笑い声が聞こえた。

「じゅん子さん…?」

 

「いえ、あんずさんはとても素直な方だなと思っただけです。」

「?」

「びっくりしましたが、とても楽しい時間が過ごせたようで私も嬉しいです。

閉館の時間も迫ってますし、そろそろ帰りましょう」

静かな空間に茜色の光が差す。そろそろ帰らないといけない時間だ。

今日のお礼にわたしに出来る事がないか考える。

 

「ねえじゅん子さん」

「なんでしょうか」

「駅前にさ、手作りのドーナツ屋さんがあるの知ってる?」

「えっ…知らなかったです…あるのですか?」

「うん。だから一緒に行かない?おごるよ」

「甘いもの好きなのでもちろん行きたいです…!

ですが、おごっていただくのとても申し訳ないです…」

「遠慮しないで~いろいろな知識を教えてくれたお礼がしたいの…!」

「……お言葉に甘えていいのですか?」

「うん」

そりゃおすすめの本を数え切れないほど教えてくれたから、お礼もきちっとしないと。

「…じゃあ、行きましょう。あんずさん、道案内をお願いします」

「おっけ~!そうと決まったら出発しよ!」

「…廊下は走らないでくださいね」

「もちろん!」

 

いそいそと借りる本を借り、身支度をしてわたしとじゅん子さんは駅へと向かった。

 

あの帰りに食べたドーナツ、美味しかったよね~

また食べに行こうよ!

え、出会った頃の話を聞いてたら急に食べたくなったって…?

本当に甘いもの好きだね、じゅん子さんは。

 

いいよ、じゃあわたしのお話はこの辺にしてドーナツ買って食べよう!

次はじゅん子さんから見たわたしの話もいつか聞かせてね。

 

あとがきのような中の人のひとりごと

文章そのものは約5年ぶりに書きましたが難しいですね…

小説や脚本を書ける人を尊敬します。

今回はお試しとして書いてみました。

後で読みやすく変えるかもしれません。

次はこの2人の日常の話を書いたら面白くなりそうですね

学校と、プライベートで遊びに行った時と分けて書いてみようと今のところ

ざっくりと考えています。お楽しみに…